私とポストフェミニズム【「自分受け」とは】きょん

はじめに

はじめまして。サークルアイスのきょんです。自分の思ってることを文にして、誰かに読んでいただくことは今までになかったことなので、とても緊張しています。文章も、考え方も、足りないところばかりだと思いますが、見守ってくださると嬉しいです。

【目次】

・雑誌の言う、「自分らしさ」って？

・雑誌が示す「自分受け」が生むもの

・自分の好みと、責任

・雑誌の言う、「自分らしさ」って？

最近、女性向けのファッション誌でちらほら、「自分らしく」「自分受け」という感じの言葉が見られるようになったな〜と思う。具体的には、美人百花・2020年7月号の「これからは『私ウケファースト』の時代です♡」や、sweet・2021年6月号の「自分らしく生きよう！」など。もちろん、男子ウケ、女子ウケ、みたいな、「他人受け」を目指す文言をたくさん発信し続ける雑誌も山ほどある。前者を見たときに、人にウケるものを選ぶより、自分の好きなものを大切にしていこう、的な見出しは、一見女性を男に媚びることから解放している、そんなように感じる人も、いるのかもしれない。もしかしたらこれを見て、フェミニズムは達成されたと思うのかも。

でも、実際に中身を見てみれば、大きな見出しや企画のタイトルの上で「自分受け」を謳うことは、本当に読者の「自分受け」による幸せを与えているのか？と私は考えてしまう。「自分受け」を謳う雑誌とそうでない雑誌、内容にそれほど大きな差があるのか？と言われれば、とても微妙なところだと思う。

・雑誌が示す「自分受け」が生むもの

なぜなら、「自分受け大事！」と見出しでは言っていても、本をひとたび開いてみれば、そこにはおしゃれの「正解」「不正解」、「おしゃれである」「おしゃれじゃない」、「これから流行るものが良い」「これは時代遅れでセンスがない」……というような、装いに対しての誰かの評価、善し悪しの基準が所狭しと指南されているのがわかるからだ。

それに、限られた特徴を持った顔や体型の人しか、そこには載っていない。「自分受け」は、太った人、目が一重の人、巻毛の人、肌の色が白くない人…いろんな特徴の人を排除したうえで、大抵のファッション雑誌が堂々と成り立っている。そうして「自分受け」を語っている。「周りの目を気にせずに、自分の好きなものを誰でも表現していこう」というのが「自分受け」のはずなのに、それをしていい人・してはいけない人の線引きをあっさりとしてしまっているファッション誌は、とても、矛盾している。

そう考えてみれば、「自分受け」を提唱しているどうかで、雑誌の内容にそんなに差はないのでは？と思う。

・自分の好みと、責任

私たちの好みはそれぞれバラバラだから、かっこいいものが好きな人、かわいいものが好きな人、派手なものが好きな人…などいろいろな装いの好みがあることは否定するべきじゃないし、何を好きでいるかは自由で、何を好んでもいい。何を装ってもいい。それはそうだと思う。でも、私たちの世の中が言う「自分受け」は本当に「自分受け」なのかは注意深く問うべきだ。

例えば、もしフェミニンなものを自分の意思で好きだ、と言い切りたいとしても、私たちはメディアの意図から離れることができないことを無視してはいけない。「自分受け」という言葉を鵜呑みにして、自分は男性の視線から逃れられている、このスタイルを選ぶのは私の意思だ、と完全に思い込んでいいことにはならないと思った。そして、ファッションメディアが見せる「自分受け」を謳った「手本」に『自分が好きだから、自分のためだから』と何も疑わずに憧れ、似せるために奮闘することで自己を満たすのは、結局のところまたメディアに示された「女性はこうあるべき」の考えを受け入れて実践することになってしまう。そうすることは女性の魅力をまた規定し、生きづらさや排除をまた生み出していくだけだ。そう思いながら、自分の好みに責任を持って生きていかないといけない。今回ポストフェミニズムを学んでみて、そう思った。